骨粗鬆症治療

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の密度や強度が低下し、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。特に高齢の方や閉経後の女性に多く見られますが、生活習慣や病気の影響で若い方にも起こることがあります。

骨粗鬆症の原因

骨は常に新陳代謝を繰り返し、古い骨が壊され(骨吸収)、新しい骨が作られる(骨形成)ことで健康を保っています。しかし、以下のような要因で骨の新陳代謝のバランスが崩れると、骨密度が低下し、骨粗鬆症が進行します。

  • 加齢:年齢とともに骨の生成が追いつかなくなる
  • 女性ホルモンの低下:特に閉経後、エストロゲンの減少で骨密度が急激に低下
  • カルシウム・ビタミンD不足:骨の形成に必要な栄養が不足すると、骨が弱くなる
  • 運動不足:骨に適度な負荷をかける運動が不足すると、骨が弱くなる
  • 喫煙・過度な飲酒:骨の新陳代謝を妨げ、骨密度を低下させる
  • 遺伝的要因:家族に骨粗鬆症の人がいると、リスクが高まる
  • ステロイド薬の長期使用:一部の薬剤が骨密度の低下を引き起こす

骨粗鬆症の症状

骨粗鬆症自体には自覚症状がほとんどありません。しかし、骨がもろくなることで次のような症状が現れることがあります。

  • 背が縮む(背骨が圧迫骨折を起こしている可能性)
  • 姿勢が悪くなる(猫背になる)
  • 軽い転倒やくしゃみで骨折しやすくなる(手首・大腿骨・背骨など)
  • 腰や背中の痛み(圧迫骨折によるもの)

特に注意が必要なのは、「いつの間にか骨折」です。
転倒などの強い衝撃がなくても、知らないうちに背骨がつぶれる「圧迫骨折」を起こし、背中の痛みや身長の低下が生じることがあります。

骨粗鬆症治療の流れ

骨粗鬆症の検査方法

骨密度検査

骨粗鬆症を診断するための代表的な検査です。
若い世代の平均値(若年成人平均値:Young Adult Mean, YAM値)と比較して、自分の骨密度が何%であるのか(%YAM)で判断します。80%以上が正常、80%未満70%以上の場合は骨量減少(骨粗鬆症予備群)、70%未満になると骨粗鬆症と判定されます。
骨密度測定は大きく3つの方法があります。

  • DXA法(デキサ法):腰椎や大腿骨、前腕の骨密度を測る標準的な検査です。Dual Energy X-ray Absorptiometryの略で、2種類の異なるX線を照射して骨密度を測定する検査で、精度が高い方法とされています。
  • MD法:手の骨密度を測定する方法です。簡便に判定できますが、精度はDXA法に劣ります。
  • 超音波法:かかとの骨に超音波を当てて骨の強さを判定する方法です。診断には用いることができず、検診などで簡単なスクリーニングの方法として行われています。

女性の方はホルモンのバランスの変化に併せて骨密度が低下している場合があります。50歳以上になったら定期的に骨密度検査をすることがおすすめです。

血液検査

骨代謝マーカーと呼ばれる、骨の新陳代謝の状態を知ることができる血液検査項目を検査します。新しい骨を作る力である「骨形成マーカー」と骨を破壊する力である「骨吸収マーカー」のバランスを知ることができます。その他に骨の材料となる「カルシウム」や骨の生成するために必要な「ビタミンD」などの検査も行い、骨粗鬆症の原因を調べます。

骨粗鬆症治療のメリット

骨折をしないということが最大の目標であり、骨粗鬆症は早期発見・早期治療が大切です。予防と治療には以下の方法があります。

① 食事療法

骨を強くするために、カルシウム・ビタミンD・ビタミンKをしっかり摂取しましょう!

  • カルシウム(牛乳・小魚・大豆製品・緑黄色野菜)
  • ビタミンD(鮭・いわし・きのこ類)
  • ビタミンK(納豆・ほうれん草・ブロッコリー)

* 日光浴も大切!
ビタミンDは日光を浴びることで体内で作られます。1日15分程度、外に出る習慣をつけましょう。

② 適度な運動

骨に負荷をかける運動は、骨密度の維持に効果的です。

  • ウォーキング・ジョギング(適度な衝撃が骨を強くする)
  • スクワット・筋トレ(下半身の筋力をつけることで転倒予防)
  • ストレッチ・ヨガ(バランス能力を高める)

転倒予防も重要!
転倒を防ぐために、足腰の筋力を強化し、バランス能力を高める運動を行いましょう。

③ 薬物療法

骨密度の低下が著しい場合、薬物療法を行います。

  • 骨吸収を抑える薬(ビスホスホネート製剤・SERM・抗RANKL抗体)
  • 骨形成を促す薬(副甲状腺ホルモン製剤など)
  • カルシウム・ビタミンD・ビタミンKの補充